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矯正歯科 の診断のポイントは、大きく言うと次の4つに絞られます。
1.頭蓋顔面領域のなかで、上下の顎の位置関係
2.頭蓋顔面領域のなかで、上下の前歯の位置関係
3.その顎のなかで、歯とのバランス
4.今後の成長予測
歯の大きさやその数と 歯を配列できる歯槽骨の大きさとの間に不調和が見られる場合に、歯列に叢生(歯の凸凹)や空隙が生じる。
その不調和を Arch length discrepancy と言い、利用可能な歯列弓長から歯冠幅径の総和を引いた値が、相当します。
値がマイナスかプラスかは模型、いやお口を見れば分かることですが、問題になるのは、どの程度マイナス(足りない)なのか?ということでしょう。
上顎の第1大臼歯が常に正常な位置にあるという仮説に基づく仮説です。
この上顎第1大臼歯を基準として、半咬頭以上のズレを目安に、上下の第1大臼歯の近遠心的な咬合関係によって、歯並びを分類しました。
イメージ的に非常に分かりやすいため、 矯正歯科 の世界では広く用いられています。
Class 1 上下の第1大臼歯の近遠心関係は正常である。
不正は、歯と顎の大きさの不調和によるものや、上下の歯列の垂直的な関係の異常に伴う。
Class 2 下顎第1大臼歯が正常よりも遠心に咬合する。 多くの場合で上顎前突を伴う。
division 1 上顎切歯の唇側傾斜により水平被蓋の過大を伴う。
division 2 上顎切歯の舌側傾斜により水平被蓋は減少して、垂直被蓋の過大を伴う。
Class 3 下顎第1大臼歯が正常よりも近心に咬合する。 多くの場合で反対咬合を伴う。
歯と歯列を頭蓋内に設定した3つの平面に関係付けて判断。
正中矢状面を基準 歯列の狭窄や開大、左右の対称性を判断する。
眼窩平面を基準 眼点から上顎犬歯を通りオトガイに至る平面が出来ることが正常であるとして、
上下の歯列やオトガイ部の前突や後退を判断する。
Frankfort平面(FH平面)を基準 歯や歯列の垂直発育の過不足を咬合平面との距離で判断する。
頭蓋底に対する上顎や下顎、上顎に対する下顎の位置関係という、顎・顔面の構成要素が示す骨格の傾向を分類したものである。
Skeletal class 1
顎・顔面の構成要素は互いに調和的で、側貌は正常である。
(ANB角は0〜2度)
Skeletal class 2
下顎の劣成長もしくは上顎の過成長により下顎が上顎に対し後退位を示す。
側貌は中顔面部が出た形になっている。
(ANB角は3度以上)
Skeletal class 3
下顎の過成長もしくは上顎の劣成長により下顎が上顎に対し前方位を示す。
側貌は下顔面部が出た形になっている。
(ANB角は0以下)
鼻尖とオトガイ部の先端を結ぶ直線をE-line ( esthetic line ) という。
この直線と上下の口唇の最突出点との距離を計測する。
日本人の場合、上唇はほぼE-line上にあり、下唇は1mmほど前方にある、人が多い。
最近の傾向として、上唇がE-lineよりも1,2mmほど後方にあり、下唇はほぼE-line上にある、という状態をとるのをより美しいとすることもある。
白人の場合、上唇がE-lineよりも4mm後方にあり、下唇が3mm後方にある状態を、調和がとれている、とする。 (Ricketts)
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矯正歯科治療の背景となる基本的な事柄について説明しています。