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外科 矯正歯科 治療とは、通常の矯正治療と外科手術を併用することで、治すことが出来る範囲の拡大、治せるゴールの向上が、期待できます。
普通の 矯正 治療のみでは治せないような重篤な顎・顔面の形態異常を有する患者さん、歯のレベルの噛み合わせだけでなく骨格レベルで見た目も治したい患者さん、がその対象です。
例えば、下顎が極端に前方に突出している人、下顎が引っ込みすぎて横顔が小鳥のようになってしまっている人、正面から見て左右の非対称がひどく顔が非常に歪んで見える人、開口(奥歯が噛んでも前歯が全然噛まない状態)のひどい人、・・・などなど。
外科手術を行う時期は、原則としてその人個人の成長が終了した時点で行います。
この外科矯正治療は、術前の矯正治療、外科手術、術後の矯正治療、全てが保険対応です。
術前矯正
まず最初に術前 矯正 というステップに入ります。
いきなり外科的に顎の骨を切ってつないで、という手術をするのではありません。 術前矯正治療を行うことで、外科手術をした後により良い噛み合わせと審美的な見た目の改善を得ることが出来るからです。
一般に体に多少の不正や異常があっても、体のその異常や不正を補正して、正常に近づけてしまいます。 また、骨格系の異常の他にも、歯並びの凸凹であるとか歯のレベルでの改善を要することもあります。 ですから、初診の状態でいきなり外科手術をしても、術後の改善は限られてしまいます。 術前矯正を行うことで一時的に体が行った補正を解除して、外科手術後により良い結果(審美的な顔貌の改善と緊密な咬合)を得ることが出来るようにするのです。
レントゲン写真(セファログラム)や口腔内模型で、治療のシミュレーションを行い、術後のゴールを設定します。
治療目標の設定により、術前矯正のやり方は異なってきますが、抜歯を伴うこともあります。 通常、上下の歯にマルチブラケット装置を付けて半年から2年ぐらいの術前矯正治療を行います。
外科手術
術前に計画していた術式などを最終資料を基に再度検討します。
状況により対象となる顎や外科手術法は異なりますが、適切な手術法を選択した上で骨切りを行い、3次元的に顎骨を移動して治します。
手術後は顎を固定するために、上下顎歯列の顎間固定を行います。 (お口が開けられない状態になります。) そのために約4週間の入院を伴うことが普通です。
主な外科手術は次の5通りです。
下顎枝矢状分割法 ( Obwegeser-Dal pont 法 )
下顎前方歯槽部骨切り術 ( Kole 法 )
上顎前方歯槽部骨切り術 ( Wassmund 法 )
Le Fort T型骨切り術
上下顎骨移動術
そのほかに、水平移動オトガイ形成術 などがあります。
術後矯正
約1ヵ月間の顎間固定の後、術後 矯正歯科 治療に入ります。
非常に大掛かりな噛み合わせの変化が起きるので、治療後の咬合と周囲の筋肉が順応するまでの間、顎間ゴム等を用いたり、ワイヤーの微調整をしたりします。
場合によっては、顎外固定装置(チンキャップなど)を併用することもあります。
期間的には、半年間ほどかかることが普通です。
外科的 矯正 治療に伴う顔面の形態の変化は、概ね良好です。
しかし、唇など軟組織の変化量は、歯や骨など硬組織の変化量と、必ずしも一対一で対応して変化するわけではありません。 軟組織自体の厚みや健康状態にも左右されます。 また、患者自身が術前に期待する変化と術者サイドが予測した変化とが、必ずしも一致するわけでもありません。
術前のカウンセリングでの十分な話し合いで、よく確認しておくことが大事です。
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矯正歯科治療の背景となる基本的な事柄について説明しています。